アスカラール
「三橋さんに3年前のファイルを持ってきて欲しいと言われたんですけれども、場所がよくわからなくて…」

三橋とは、彼の指導係である先輩の名前だ。

そう言った律に、
「ファイルはこっちの方だよ」

美都はファイルが並んでいる棚へと彼を案内した。

「この棚にファイルが並んでるから」

「ありがとうございます。

あっ、あった!」

嬉しそうにファイルを取り出した律の様子に美都は満足した後、自分の仕事に取りかかった。

「じゃあ、先に戻ってますね」

「はーい、わかりましたー」

資料室を後にした律を見送ると、美都はプリントに書かれてあるいくつかの資料を手に取った。

「えーっと、これで全部かな」

手元にある資料とプリントを確認すると、美都も資料室を後にしたのだった。
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