アスカラール
20年ぶりの再会
当日を迎えた。

「それじゃあ、お先に失礼します」

パソコンの電源が切れたことを確認すると、美都は椅子から腰をあげた。

「美都さん、お疲れ様です」

あいさつをしてきた高崎に、
「お疲れ様です。

お食事の件、楽しみにしてますね」

美都は返事をすると、早足でオフィスを後にしたのだった。

「…あれは、脈があるんだと思えばいいのか?」

「上司とのつきあいぐらいにしか考えていないと思う」

同僚たちがコソッと話をしていたが、すでにオフィスから立ち去った美都の耳には入っていないのだった。

「えーっと、6時だって言ってたよね…」

腕時計に視線を向けると、5時を少し過ぎたところだった。

エレベーターが止まっていたので、
「すみません、乗ります」

美都は声を出すと、そのエレベーターに飛び乗った。
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