アスカラール
「な、何が?」

沙保の剣幕に美都は聞き返した。

顔立ちが端正な分、迫力はものすごかった。

「ちょっとは嫌がりなさいよ!

しかも、彼氏がいるくせに何をやってんのよ!?」

「沙保ちゃん、怖いよ…」

鬼も泣いて逃げ出しそうな剣幕に美都はガタガタと震えた。

「あのヤロー、絶対に許さないわ…」

そう呟くと、沙保はどうしたもんじゃろかと言うように腕を組んだ。

「美都、間違っても魚住には近づいちゃダメよ。

私もなるべく美都を1人にしないようにするから」

「う、うん…」

「それから由真ちゃんにも高崎さんにも美都を1人にさせないようにと、お願いしなきゃ」

沙保はブツブツと口の中で呟いていた。
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