アスカラール
「沙保ちゃんがジョーダンを言う訳ないじゃない」

親友を侮辱されたことに腹が立って言い返したら、
「でも、僕は言いましたよ」

律が言った。

「例え美都さんに彼氏がいても、僕はあきらめない…って。

必ず僕の方に振り向かせるって、そう言いました」

そう言った律に、
「嫌なものは嫌だからやめて。

と言うか、もう本当にあきらめてよ。

彼氏がいる相手に固執する理由がわからない」

美都は言い返した。

「美都さんは僕の理想の人なんです。

絶対にあきらめませんから、美都さんを必ず僕のものにしますから」

言い終えた律の手が頬に触れたかと思ったら、その顔が近づいてきた。

その手と顔から逃げようとした時にはすでに遅く、美都の唇は彼の唇と重なっていた。
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