アスカラール
昼休みになった。

「美都」

カルボナーラを食べている美都に、沙保は声をかけた。

「魚住くんと何かあった?」

そう聞いてきた沙保に、
「またその話なの?

何度も言ってるけど、魚住くんとは何も起こっていないから。

もう魚住くんも私のことをあきらめたんじゃない?」

美都は答えると、ストローでレモンティーをすすった。

「あきらめたって…私はそんな風には見えないんだけど」

「沙保ちゃんこそ、玉村さんとはどうなっているの?」

「話を変えようとするな」

断固としても口を割ろうとしない美都に沙保は言った。

「もう魚住くんに言い寄られることもなくなったし、それでいいじゃない」

そう言った美都に、
「美都はそれでいいかも知れないけど、周りが困るのよ」

沙保は言い返した。
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