アスカラール
「ごめん、1人にさせて」
美都は沙保にそう言うと、ゴミ箱に袋を捨てた。
「美都…」
レモンティーを手に持って休憩所を去って行く美都の後ろ姿に声をかけた沙保だったが、彼女は振り返ってくれなかった。
非常階段に続いているドアを開けると、そこには誰もいなかった。
1人になりたい時は必ずここへと足を運んだ。
新入社員だった頃、仕事で上司に怒られた時はよくここに1人できては泣いていたっけ…と、懐かしく思いながら美都は小さく笑った。
ズボンのポケットからスマートフォンを取り出すと、美都は画面をタップした。
『おはよう、美都
仕事、そんなにも忙しい?
電話をかけても出ないし、メールをしても返してくれないし…
もしかしてとは思うけど…俺、美都の気に障るようなことをした?』
毎朝のように届く成孔からのメールを返さなくなって、今日で6日目を迎えた。
美都は沙保にそう言うと、ゴミ箱に袋を捨てた。
「美都…」
レモンティーを手に持って休憩所を去って行く美都の後ろ姿に声をかけた沙保だったが、彼女は振り返ってくれなかった。
非常階段に続いているドアを開けると、そこには誰もいなかった。
1人になりたい時は必ずここへと足を運んだ。
新入社員だった頃、仕事で上司に怒られた時はよくここに1人できては泣いていたっけ…と、懐かしく思いながら美都は小さく笑った。
ズボンのポケットからスマートフォンを取り出すと、美都は画面をタップした。
『おはよう、美都
仕事、そんなにも忙しい?
電話をかけても出ないし、メールをしても返してくれないし…
もしかしてとは思うけど…俺、美都の気に障るようなことをした?』
毎朝のように届く成孔からのメールを返さなくなって、今日で6日目を迎えた。