アスカラール
(気に障るようなことをしたんじゃなくて、私が成孔さんに顔をあわせる自信がないんです)
美都は心の中で呟くと、スマートフォンをズボンのポケットに入れた。
律に触れられたことやキスをされたことを言ったら、成孔はどうするのだろうか?
(魚住くんを殴るなんて言う物騒なことはしないと思うけど…)
美都は息を吐くと、階段に腰を下ろした。
「軽蔑されちゃうかな…?
それとも、別れを告げられちゃうかな…?」
どちらにせよ、嫌なことには変わりはない。
――君が欲しかった
そう言って顔を近づけてキスを交わしたあの日のことを今でも覚えている。
成孔が愛用している香水の甘い香りに包まれてのキスだった。
「あの香りを嗅ぐたびに思い出すんだろうな…」
美都は呟くと、膝に自分の顔を埋めた。
美都は心の中で呟くと、スマートフォンをズボンのポケットに入れた。
律に触れられたことやキスをされたことを言ったら、成孔はどうするのだろうか?
(魚住くんを殴るなんて言う物騒なことはしないと思うけど…)
美都は息を吐くと、階段に腰を下ろした。
「軽蔑されちゃうかな…?
それとも、別れを告げられちゃうかな…?」
どちらにせよ、嫌なことには変わりはない。
――君が欲しかった
そう言って顔を近づけてキスを交わしたあの日のことを今でも覚えている。
成孔が愛用している香水の甘い香りに包まれてのキスだった。
「あの香りを嗅ぐたびに思い出すんだろうな…」
美都は呟くと、膝に自分の顔を埋めた。