アスカラール
(そう言えば、妹がいるって言ってたな…)

そんなことを美都は思った。

「僕の理想のタイプなんです!」

そう言った律に、
「和香、頼んだ」

成孔はポンと妹の肩をたたいた。

「えっ、お兄ちゃん!?」

和香がどうすればいいんだと言うように兄の顔を見つめた。

「俺は今すぐに彼女と話がしたいんだ」

そう言って成孔は和香から離れると、美都の隣に歩み寄った。

「ああ、その子が例の彼女なのね…」

それに対して和香は納得をしたと言うように、首を縦に振ってうなずいた。

「わかったわ」

和香は返事をすると、美都の方に視線を向けた。

「あなたの身に何があったのかはよくわからないけれど、気が済むまで兄と話をしてね」

そう言った和香に、
「はい…」

美都は条件反射と言うヤツで返事をしてしまっていた。
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