アスカラール
「君は美都ちゃんかな?」

成孔が美都に声をかけてきた。

「えっ…私のことを知っているんですか?」

美都は彼が自分を知っていたことに驚いた。

「うーん、覚えてないか…。

よく家に遊びにきてたんだけど、君はまだ小学生に入ったばかりだったからなあ」

そんな彼女に、成孔は苦笑いを浮かべた。

「ああ、有栖川くんか!」

元治は思い出したと言うように、パンと両手をたたいた。

「思い出しました?」

嬉しそうに聞いてきた成孔に、
「確か、俺の2年後輩だったんだよな?」

元治は確認するように聞いてきた。

「そうです。

俺が入学した時、森坂さんは3年生でした」

成孔が元治の質問に答えた。

2歳年下と言うことは、38歳か…と美都はそんなことを思った。
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