アスカラール
「一緒に食事ですか?」

そう聞いてきた美都に、
「ええ、食事です。

ああ、美都さんのご都合があえばですけど」

高崎は足を止めると、質問に答えた。

「行ってもいいですけど…私、生魚が嫌いなので生魚を出すお店はやめてください。

後、あんまり遅くなると父と兄が心配するのでそこのところも…」

そう言った美都に、
「そ、そうですか…。

わかりました、考えます」

高崎は苦しそうに笑ったのだった。

「それでは、また」

「はい、わかりました」

高崎の背中を見送ると、美都は書類をデスクのうえに置いて仕事を始めた。

美都が仕事に集中しているのを確認すると、
「さすが、天然悪女ね」

コソッと、同僚が美都に聞こえないように言った。
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