アスカラール
「おはようございます、高崎さん」

美都があいさつを返すと、高崎は嬉しそうに微笑んだ。

「昨日はどうでしたか?」

高崎が聞いてきたので、
「昨日ですか?

昨日は父と兄と一緒にお墓参りに行った後、中華料理店でご飯を食べました」

美都は答えた。

「美味しかったですか?」

「はい、とても美味しかったです」

高崎と話をしながら歩いていたら、勤務先のビルに到着した。

「もう到着しましたね」

そう声をかけてきた高崎に、
「あっと言う間ですね」

美都は返事をした。

「美都さんと話をしていたからでしょうかね?」

高崎はそう言うと、フフッと笑った。

「そうですね。

1人の時は長く感じますけど、誰かと話をしているとあっと言う間ですもんね」

それに対して、美都は微笑みながら答えたのだった。
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