アスカラール
沙保は驚いたと言う顔をした。

「私、誰か――そうだな、由真ちゃんを誘ってみるから――と一緒に行くから。

だから、沙保ちゃんは玉村さんと一緒に七夕祭りに行ってきてもいいよ。

玉村さん、沙保ちゃんと一緒に行きたいから誘った訳なんだし」

そう言った美都に、
「美都は、それでいいの?」

沙保は聞き返した。

「うん、いいよ。

だから、楽しんできなよ」

美都が答えたのと同時に、エレベーターが到着した。

エレベーターを一緒に降りてオフィスへと足を向かわせながら、
「美都が言うならそうするね」

沙保が言った。

「うん」

美都が首を縦に振って返事をしたことを確認すると、沙保はスカートのポケットからスマートフォンを取り出した。

玉村に返事をするみたいだ。
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