アスカラール
いつものように自宅に帰って、兄が作ってくれた晩ご飯を食べると風呂に入った。

風呂からあがると、美都は洗った髪をバスタオルで拭きながら冷蔵庫からアイスを取り出した。

それを手に持って自室に行くと、机のうえに置いていたスマートフォンが震えていることに気づいた。

袋からアイスを取り出しながら画面を覗き込むと、成孔からの電話だった。

美都はスマートフォンを手に持つと、指で画面をタップした。

「もしもし?」

スマートフォンを耳に当てると、
「美都?」

成孔の声が聞こえた。

「こんばんは」

美都があいさつをすると、
「こんばんは」

成孔があいさつを返した。

「えっと、何か用事ですか?」

美都はアイスをかじりながら、時計に視線を向けた。

時計は夜の10時を過ぎたところだった。
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