アスカラール
「美都がよかったらだけど、一緒に行かない?」

そう聞いてきた成孔に、
「成孔さんとですか?」

美都は聞き返した。

「うん、一緒に行きたい」

はっきりと言った成孔に、美都はどうすればいいのかわからなかった。

(これは早い話が…)

「デート、ですか?」

心の中で思ったことを美都は口に出した。

「…まあ、そうだね」

成孔は戸惑った様子だが、美都は特に気にも止めていない様子だった。

「それで、どうかな?」

「はあ…」

美都は口を閉じると、考えた。

(成孔さんと一緒に、か…。

まあ、いいかな)

心の中で結論をつけると、
「いいですよ」

美都は成孔に返事をした。

「よかった、どうもありがとう」

成孔は嬉しそうにお礼を言った。
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