アスカラール
「ありがとうございます。

でも、これが最後の1つなので…」

申し訳なさそうに言った美都に、
「先ほど昼食を済ませてきたので心配しなくていいですよ」

高崎は返事をした。

「そうだ!

高崎さん、聞いてくださいな!」

「はい?」

首を傾げている高崎に、沙保は事情を説明した。

「…すると、美都さんは独りぼっちと言うことですか?」

そう言った高崎に、
「そうなんですよ、せっかくなので美都と一緒してくれせんか?」

沙保は頼んできた。

(私と一緒って…私、そんなことを頼んでないんだけどなあ)

美都はサンドイッチを飲み込むと、
「あの…大丈夫ですから」
と、言った。

「大丈夫って、あんた…」

「一緒に行く人がいますので」

沙保の言葉をさえぎるように、美都は言った。
< 62 / 218 >

この作品をシェア

pagetop