アスカラール
「これ、何ですか?」

美都が氷水が入った袋を指差したら、
「えっ、知らないの?」

成孔が驚いたと言うように聞き返してきた。

「知らないです…」

美都が首を縦に振って答えたら、
「これね、“かちわり氷”って言うんだ。

子供の頃に俺が好きだったお祭りメニュー」

成孔は笑顔で答えた。

美都の質問に答えているその笑顔は子供のように無邪気だった。

「かき氷みたいなものですか?」

「うーん、それとはちょっと違うんだよなあ…。

とりあえず、1個だけ買ってみる?

味は何がいい?」

「はあ…」

いちごにレモンにメロンにブルーハワイ、ピーチ、グレープ、コーラ…と、かき氷のシロップのようにいろいろな味があった。
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