アスカラール
チューッとストローで吸いあげると、いちごの甘い味が口の中に広がった。

「美味しい」

美都が成孔に言ったら、
「でしょ?」

成孔は嬉しそうに返事をすると、ストローに口をつけた。

「あっ…」

その姿に、美都は声を出した。

(間接キスだ…)

先ほど自分が口をつけたストローに成孔の唇が触れていることに、心臓がドキッ…と鳴った。

それで思い出したのは、成孔と交わしたキスだった。

「懐かしい、本当に変わってないや」

口からストローを離した成孔はそう言った。

「美都、どうしたの?」

そう聞いてきた成孔に、
「あっ、いえ…」

美都は首を横に振って答えた。

(あなたとキスしたことを思い出したなんて、とてもじゃないけど言えない…)

美都は心の中で呟いた。
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