Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~

「そんな要望が秘書課からあがってたんだ?」

「そりゃ、そうよ!TOEIC900超えの才女の入社って私達の入社式では上層部に同期も湧いてたのよ!それが海外事業部でも総務の秘書課でもなく経理部だなんて驚いたんだけど、簿記一級と会計士持ってたらそうなるわよねぇってそれも納得だったの」


そう語られたあれこれ。
私は大学在学中に資格をあれこれ取っていた。
秘書検定も実は二級なら持っている。
しかし、秘書課に配属されたくなかった私はそれを資格欄に記入しなかった。
自動車の免許にTOEICに簿記一級と会計士で資格欄が埋まるからだ。


しかし、入社当初避けた秘書課も入社して社員になれば人事異動からは逃げられないわけで。
晴れて明明後日より秘書課で秘書として働く事になったのだった。


この土日は秘書課で務めるためにスーツを数着買う予定である。
地道に貯めてた貯金が減るなと、内心ゴチていると


「あ、明日の買い物さ!私が付き合うつもりだったんだけど仕事入っちゃってさ。代りの人が行ってくれるからその人と買いに行くといいよ!明日の待ち合わせ場所に来る事になってるから!逃げないでね!お願いよ!?」


なぜか必死な沙苗に、私はよく分からないまま頷いて本日の飲み会はお開きになった。
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