Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~
「それじゃあ、サンダルはプレゼントしよう。残り二つは自分で買ったら?」
これまでなら確実に、啓輔さんが全てお買い上げだったが私がそれを良しとしない事が分かったから。
口酸っぱく言ってきたし。
そう提案してきてくれた。
「でも、ランチバックも買ってもらったのに…」
「このサンダル履いて、このスカート着てバックを持った菜々子とまた出掛けたいから。それじゃダメか?」
うーと唸りながら、私は答えた。
「ダメじゃない。でも良いの?」
「俺から言ってるんだから良いに決まってるだろ?」
そう言うと私の頭を撫でて一緒にレジに向かう。
それぞれで会計はするも、袋には一緒にいれてもらう。
買い物が済むと歩き回ったからか、足が疲れてきたのを実感する。
「軽くご飯食べて帰ろうか?」
色々見てたらあっという間に夕方になっていた。
アウトレット内のレストランなら他所と違ってリーズナブルだ。
だいぶ私の性格を把握した啓輔さんから、そんな絶妙な誘いを受けて。
「歩き疲れたし、お腹も減ったわ」
私もそう、素直に零した。
そうしてイタリアンのお店に入ると啓輔さんはピザを、私はパスタを頼み、デザートにはティラミスと紅茶を選んで席で待つ。
食事はお互いに少しづつ分けながら食べて、楽しく過ごし。
その後、私は今日も無事に家へと送られたのだった。