Black Cherry ~にゃんこな彼女は一筋縄では捕まらない~
こうして迎えた月曜日、初めての秘書課への出勤。

どうにも気が重いまま、買ってもらったスーツの中からノーカラーのジャケットにシフォンのカットソーにフレアスカートのものを選び着替えた。

これまた買われたベージュのパンプスを履き、カバンを持ち準備を済ませて出勤した。

私の家から会社までは電車で五駅。

たった五駅で都内から出て隣県になるだけで家賃はグッとお得になるので入社から、この単身者向けマンションに住んでいる。

ワンルーム八畳、ロフト付き。
風呂トイレ別は譲れなかったところ。
ロフトをベット替わりにしているので下の八畳は丸っと使えるのでワンルームにしては広くて居心地も良くお気に入りである。

大きめのクローゼット付きなのも女子ウケがよくこの単身向けマンションは入居者の八割が女性である。

そんな感じの居心地いいお城から出て、今日も仕事へと向かう。

会社が近くになればなるほど私のため息も増していく、なんとも嫌な感じだ。


どうか、社内では専務らしくいい距離を保ってくれますように…。


しかし、そんな私の願いは本日朝に初っ端からもろくも崩れ去っていくのだった…。


誰もあの暴走専務は止められないようだ。

無論、私にも止められるわけもないのだった…
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