身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
身代わり
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のどかな田園が広がる田舎道を、側近のアボットと並んで馬を駆る。
俺達はランドーラ王国東端の街、アレスの駐屯地への視察を終えて帰路にあった。
「ブロード様、事前に報せぬ訪問でしたけどアレスの駐屯地、兵の教育が行き届いてましたね」
並走するアボットが感心したように告げた。
「あぁ、新任故に不安もあったが駐屯隊長が上手く纏めているようだ」
アレスの駐屯地は隣国ブレンボ公国との国境警備を担う要。
ここ数年、ブレンボ公国との緊張が高まっており、アレスの駐屯地の重要性も比例するように高くなっていた。
将軍である俺が視察したのも、その為であった。
「あれブロード様、この先って確かブロード様のお祖父様の領地ですよね? お祖父様、ご健在じゃなかったでしたっけ? せっかくですから、寄っていきましょうよ。ってかブロード様、俺達宿じゃなくてお祖父様のお宅に泊ったらいいんじゃないですか!? ……そうすれば宿代と夕食代、浮くし!」
名案だとでも言うように、鼻息の荒いアボットが言い募る。
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