身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
腕の中のレーナを壊さぬよう、潰さぬよう、細心の注意を払って抱き上げた。
「ブロードさん、一体どこまで親切なんですか? そんなに甘やかしちゃだめですよ?」
レーナは俺を見上げ、擽ったそうに笑い声を上げた。
……親切? いいや、始まりには多少なり親切心や責任感、庇護欲のようなものも混じっていたかも知れない。けれど今は、もっと自分本位な欲が全ての根底に見え隠れしている。
「……俺はそうは思わん。だから遠慮せず、もっと甘えてくれ」
俺はレーナを、何処にも、誰にも渡したくない。
レーナは困ったように、微笑んだ。