身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
そうして訪問三日目、今日も患者さんのお宅から帰宅して、玄関に向かっていれば、庭先でユリーナがしゃがみ込み、花壇の花々を眺めていた。
「ユリーナ」
私が声を掛ければ、ユリーナが振り向いた。
「!」
けれど振り返ったユリーナは、目を見開いて固まった。
「? ユリーナどうかした?」
「いや、どうもこうもその恰好はどうしたの!?」
ユリーナに言われ、改めて今日の恰好を見下ろす。
数日前の散策中に偶然、納戸に捨て置かれるように積み上がる衣類の存在を知った。侍女らに出どころを尋ねたが、全員がこぞって首を傾げた。
結局、退職した侍女が置いていったのだろうという結論に落ち着き、ならばと私が貰い受けていた。