身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「状況はどうだ!? 新たな情報はあったか!?」
一縷の望みを賭けた問いかけに、チャールズは苦渋の表情で首を横に振った。
「私も今しがたまで、実際に役所前の大通りに立ちまして状況を確認してまいりました。けれどまるで霧にでも巻かれてしまったかのように、レーナ様の行方は一向に上がってこないのです」
チャールズは悲壮な表情で告げた。
「よもやレーナ様は神隠しにでも遭ってしまったのでは……」
肩を落としたチャールズが、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
神隠し、だと?
……まさか、レーナに再び人智の及ばぬ力が介在した!? そんな可能性がありうるのだろうか!?
そんな悪夢は想像だってしたくなかった。
「チャールズ、今するべくはそんなあらぬ想像ではない。弱気な発言をする暇があれば、捜索に手を尽くせ」