身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
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「ブロード様、お待たせしました!!」
先の言葉通り、二十分と掛からずに、アボットは息急き切って戻ってきた。
そのアボットは、腕に大量の荷物を抱えていた。
「アボット? お前は一体どこに行っていたんだ?」
「いえね、やっぱり俺、奥殿にだって正面から行くのがいいと思うんです! という事で、馴染みの医師から借りてみたり、足りない物は金に糸目を付けずに買ってきました! ……なので、後でまとめて請求させてもらいます!!」
!!
言葉と同時にアボットが、バッサァッと、腕に抱えていた荷物を広げた。
「そ、それは!」
最初に目を引いたのは、クレイグスを筆頭に、王都近郊の医師らが身に付ける医療用白衣。
「はい! これなら、奥殿まで行けると思うんです!」
胸を張ってアボットが答える。