身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
とはいえここで不毛な議論を繰り広げるつもりもなく、俺は口を噤んで手伝いに勤しんだ。
そうして出来上がったのは、三百六十度どこから見ても女らしさの塊のような助手だった。
「……これは、驚いたな」
我が側近の底の深さに、内心で慄いた。
これはもしかしてもしかすれば、騙される男どもが続出するのではないか?
「はいはい! 今度はブロード様の番ですからね! ブロード様もちゃっちゃと脱いだ脱いだ!」
「!!」
……感心したのもつかの間、どれだけ見た目が変わろうが所詮、中味はアボットだ。残念ながらアボットの口調と所作は、まるで女らしくなかった。
とにもかくにもアボットに身ぐるみひっ剥がされた俺は、シャツとスラックスを身に付けて、上に白衣を羽織った。
「これを、被って……。これを、くっ付けて……」