身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「っ、ぅうっっ……」
心が千切れそうなくらい、ブロードさんが恋しくて苦しい。
ブロードさんに名前を呼んで欲しい、そして、その腕で優しく包んで欲しい。
「……会いたいよっ、ブロードさん……」
……ブロードさん、今、物凄く貴方が恋しい。
ブロードさんを求め、切なく胸が締め付けられる。
温かな陽光を受けながら、全身が心細さと不安に震えていた。ブロードさんの温かな微笑みと、優しい抱擁を思い出せば、涙が溢れた。
空虚を埋めるように、両の拳をきつく握った。
カサッ――。
背後から木の葉を踏む音が聞こえた。私は反射的に、足音のした方に首を巡らせた。
っっ!! ……うそ?
会いたくて、顔が見たくて、その声が聞きたくて、今まさに切ない幻影を思い浮かべたブロードさんその人が、そこにいた。