身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「ブロードさん、私、ブロードさんのところに戻りたくて仕方なかった。だけどここを出る事は叶わなくて……。こうしてまたブロードさんに抱き締めてもらえて、こんなに嬉しい事はありませんっ!」
溢れる歓喜は、言葉では表現などしきれなかった。胸の内にはもっともっと、熱く狂おしいほどの想いが渦巻いていた。
「レーナ! もう、レーナを離さない」
だけどブロードさんには言葉にしきれない思いの端々までが、伝わっている気がした。
「ブロードさん……!」
ザイード王に圧し掛かられた時、体を暴かれる恐怖に震えた。結果としてザイード王は情交を強いようとはせず、私は恐怖が遠ざかった事にただ安堵した。
だけど今、同じ状況になったなら、きっと同じ行動は取れない。ブロードさんへの恋を自覚した今、体を重ね合わせるというもっとも親密な行為は、ブロードさんとしか分かち合わない。それ以外の一切を、私は本能で回避するだろう。
「こんな目にはもう、二度と合わせない。この後は俺が、レーナを他の誰にだって渡すものか!」