身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい



***


 突如意識を無くし、頽れる女神様を慌てて腕に抱き留めた。

 尋常ではない様子で意識を落とした女神様は、けれどその口元に耳を寄せれば、寝息を立てて眠っていた。

 女神様は細く華奢で羽のように軽く、力加減を僅かにでも誤れば、折れてしまいそうに心許ない。

 けれど同時に、手のひらに感じる少女らしい丸みと柔らかさに、ドキリとした。女神様のさくらんぼの色をした唇が、薄く開いて呼気を吐き出す。薄桃色の頬は、触れずともその温もりを伝えてきそうだった。

 俺は間違っても女神様を傷つけたりしないよう、ガラス細工を運ぶより丁寧に、女神様を横抱きに抱き上げた。

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