身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「そうか。子供らもさぞ、喜ぶだろう。それからレーナ、次にレーナが教会に行く時、レーナは正式な教師だ」
俺の言葉に、レーナは驚いた様子で目を瞬かせた。
「え!?」
書状が届く前に俺の口から伝える事に、若干の躊躇はあった。けれどどちらにしても、明日屋敷に届く書状は、レーナの第一報にはなり得ない。早朝に屋敷を出て患者の家を回ってから教会に向かうレーナと書状は、確実に行き違いになる。
少々フライングにはなってしまうが、教会で牧師から知るくらいなら、俺の口から伝えたかった。
「レーナの体調不良を教会に伝えに行かせた際、牧師の方には既に内示があったようだ。明日には屋敷にも、正式な書状が届くはずだ」
「……ブロードさん、本当ですか? 私、先生になれるんですね?」
突然の事で、レーナは動揺を隠せないようだった。
しかし俺は、レーナが教師として認められない訳がないと確信していた。
「ああ、レーナほどの適任などない。あまり気負わずに、予定通り新しい宿題を持って行ったらいい」