身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
俺の言葉にレーナは微笑んで頷いた。
「はい。ブロードさん、ありがとうございます。私、出来る範囲で精一杯頑張ります」
とても自然なレーナの笑みに、俺が何を言わずとも、レーナの中では既に気負いなどなかったのだと思い至った。
レーナとは、まるでしなやかな柳のようだ。風や雪の重みに揺れようとも、決して折れず、しなやかにまた立ち上がる。
俺の目に、レーナが眩い。今はもう、レーナを俺の懐で雨風から守りたいとは思わない。
レーナと二人、互いを尊重し合い、高め合いながら同じ未来を共に臨む。そんな関係こそを、レーナと共に築きたい。
「レーナから学べる子供らは幸せだ」
「ふふっ。それはちょっとオーバーですけど、そう言ってもらえるように、じっくりと子供達に向き合ってみます」
一旦会話が落ち着けば、それからしばらく、食卓には静かな時間が流れた。