身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「……レーナ」
俺は席を立つと、レーナの椅子の横まで行って膝を突く。
俺の突然の行動に、レーナは呆気に取られて固まっていた。レーナのその手をそっと取り、戴くように額に寄せた。
「ならば一生、俺と共にあればいい」
見開かれたレーナの目。その目には俺が映っていた。
心はもう、高まるところまで高まっていた。想いは熱い奔流となって、堰切って溢れ出る。
「レーナを愛してる。レーナ、どうか俺の妻になって欲しい。俺はこの後の人生を、レーナと共に歩んでいきたい」
固唾を飲んで、レーナの答えを待った。
「レーナ?」
瞳に映る俺の姿が滲んだと思った。その次の瞬間、レーナの目から透明な雫が溢れた。