身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「生涯、レーナを離さない」
知らしめるように、抱き締める腕に力を篭めた。
「ブロードさん、私を貴方の妻にして下さい。そうしてどうか一生、離さないで下さい」
溢れる涙をそのままに、レーナが笑う。
「レーナ……!」
気付いた時には吸い寄せられるようにその唇に、そっと唇を寄せていた。レーナは落っこちそうなくらいに目を丸くして、睫毛が触れ合いそうな近さの俺を見つめていた。
そんな慣れない様子すらも可愛くて、愛しくてたまらなかった。
目を閉じてしまうのが惜しく感じ、俺もレーナを見つめたまま、ふんわりと唇を重ね合わせた。触れ合った部分から、柔らかな歓喜は全身に巡る。
表層を触れ合わせるだけの口付けは、けれど心の内側にじんわりとした熱を呼び起こす。もっとレーナが欲しくなって、薄く合わさったレーナの唇を割ろうとした。
「っっ」
けれど呼吸を忘れたレーナが苦し気に息を詰まらせて、俺は慌てて口付けを解いた。
「っ、はっ」
俺の腕の中で、顔を真っ赤にしたレーナが必死に呼吸を整えていた。