身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
「っ!」
募る焦燥が、内から身を焼いていくようだった。だけどそれ以上に、レーナが愛しくてたまらなかった。
再びの口付けは、レーナを怯えさせぬよう、名残惜しくもほんの一瞬で解く。
「……お返しだ」
戸惑いも露わなレーナに笑みを深くして、次いで腕にすっぽりと閉じ込めた。
「え? わっ!?」
そのままギュウゥッと抱き締めれば、レーナも負けじとギュッと俺を抱き返す。
「はははっ! レーナ……、いや、俺の奥さん? 俺の頭髪が白髪に変わり、しわしわの老爺になっても、ずっとこうして可愛い笑顔を見せてくれ?」
「っ! ……ブロードさん、馬鹿言っちゃいけません! ブロードさんに髪の一本もなくなって、よいよいのお爺ちゃんになったって、私はブロードさんが大好きなんですから!」