身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 私の心を知ってか知らずか、星の女神は切り出した。

「女神様、どうかお願いします! ブロードさんと生涯共にあるって、約束をしたんです!」

 気付いた時には、私は女神の言葉を遮って、必死で懇願していた。

「私はもう、ブロードさんと別れては暮らせません! どうかこのまま、この世界で過ごさせてください! お願いしますっ! どうか、お願いします!!」

 涙ながらに言い募る。未だかつて、私の人生でこんなにも何かを願った事などなかった。

 それだけブロードさんという存在が、私にとって欠く事の出来ない唯一無二なのだと知らしめられた。

 形振りも構わずに、私は女神に縋った。

『うん? なんじゃ、其方がそこまで言うのならわらわは別段構わんぞ』

「え!?」

 女神の言葉に、弾かれた様に顔を上げる。飄々とした女神の姿から、その真意は読み解けない。


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