身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 誰が悪い訳でもない。けれど母が不幸に泣き濡れ、死んでいったのは事実だ。

「……女神様、戸惑う事もありましょう。だが、俺が力になります」

 あの時の俺では力不足で、俺は母の拠り所にはなれなかった。

 幼い俺は、母を守る事が出来なかった。

「女神様は俺が、必ずお守りいたします」

 けれど今ならば出来る。俺は地位や財、あらゆる力を得た。

 幼い頃に欲しかった力、母を守る為に欲しいと願った力。

 地位や財で母を救えなかった事など分かっている。それでもこれらは、女神様を守る為にこそ身に付けたのだと、そう思えた。

 ……今度こそ、守る。女神様は、俺が守る!
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