身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 続いて語られた内容の重みに、ゴクリと唾を飲み込む。

 チラリと見上げたブロードさんは、眉間に皺を寄せて険しい表情をしていた。

「ブロード坊ちゃんが一時的に保護をするのは一向に構わんが、レーナの存在というのは一国が絡む問題だ。いつまでも黙っておく訳にはいかんだろう?」

 助けになると言ってくれたブロードさんの言葉で安心しきっていたけれど、私の存在というのは、そう簡単なものではないらしい。

 改めて、私という異分子がいかに危うい身の上であるかを思い知る。胸に暗たんとした思いが満ちる。

 果たしてこの国は、私にどういう沙汰を下すのだろう。想像もつかなかった。

「いや、レーナは現状に不安もあろうし、今は体調も万全でない。レーナは俺の屋敷に保護し、時期を見て直接俺から王への謁見を申し入れる。それまで、他言は無用だ」

 ドリアス牧師の言葉に恐々としていた私は、ブロードさんの答えにほっと胸を撫で下ろした。

「なっ!? ブロード坊ちゃん、何を楽観的に考えておる? そっと置いておきたい気持ちは分かるが、報告すらせずに手元に隠せば反逆罪を疑われかねんぞ!?」

 けれどドリアス牧師の反応は、そうではなかった。

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