身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

「ふむ、確かに他国には類を見ない程にこの国は美しい。湖水地方で採れる豊富な石材がこの街並みを作り出す。そう考えると、この街を与えたのは星の女神と言えるのか」

 ブロードさんの言葉に感じたのはやるせなさ。

 この地に、豊かな水源を与えたという星の女神。

「……ブロードさん、私はこの地に何も与える事が出来ません。外見的な特徴が同じだとしても、星の女神と私は似て非なるもの。……私には、何も出来ない」

 いつも、期待される事は苦しかった。

 期待に応えようと我武者羅に努力をした。それでも、往々にして実力が伴わない。

 だけど今回は端から勝負にすらならない。

 私にそんな超常的な力はない。
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