身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 おもむろに、ユリーナの手元を覗き込む。

 ユリーナは算数の問題に手こずっているようだった。

「……ねぇユリーナこれは、こうでしょ? そうすると、これはどうなる?」

 私にはユリーナの引っ掛かっている場所がすぐにピンときた。

 それは、かつて私も同様に躓いた部分だ。

「……あ! 分かった!!」

 案の定、私が僅かばかりにヒントを与えてやれば、ユリアーナはすぐに閃いた様子だった。
 カリカリとペンの走る音が小気味よい。

 私はその場にしゃがみ込み、ユリーナの宿題を見守った。

「ね、レーナこれは?」
「これはさ、ここがこうでしょ? だから、こっちは?」
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