身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい
要所要所で少し、私が足掛かりを作る。
「……あ! 分かった!!」
そうすればユリーナは正しく答えに辿り着く。
小一時間ほどで宿題の答案用紙は全て埋まった。
「レーナは凄いね! お陰で宿題、あっと言う間にかたずいちゃった!」
「ユリーナが頑張ったからだよ」
私が凄いというのは、少し違う。
解けない箇所、躓く箇所、それらが手に取るように分かるだけ。私もまた、そうやって一つ一つ克服してきた過去があるからこそ分かる。
全て私自身の経験によるところだ。
「ところでどうしてユリーナはこんな場所で勉強してたの? ちゃんと勉強机があるんじゃないの?」
確かに、自然光が明るく手元を照らしてくれる。
けれど地面に置いた紙に筆を走らせるのは、体勢的には少々苦しい。