50°milk
30°
「足、揉んで。」
少し離れたソファーの上で 俯せになりながら雑誌を読む和音 (かずね) に向かって脚を持ち上げてみる。
何も言わずゆっくりと目線を雑誌から私の顔へと移し、それからまたゆっくりと私の脚へと目線を移す和音。
「…疲れたの?」
和音はそう言うと、まためんどくさそうに雑誌に視線を戻した。
「疲れた!」
さっきより少しだけ声のボリュームを上げてそう言うと、和音はまた私の顔を見た。
その澄んだ瞳に 今の私はどんな風に映っているんだろう
自分でも処理し切れないこの感情は何と呼ぶんだろう
そして
何故涙が溢れてくるんだろう。
いつもの 気怠そうな和音の表情が変わるのと同時に、私達の関係も変わって行くのを感じた。
始まりか 終わりか
和音はどっちを選ぶ?
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