ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
『セイ!!』
『やあ!!』
無駄に掛け声がうるさい道場で、
何度板を割って、瓦割りをして生きてきたかわからない。
スポーツバカって言葉をよく聞くけど、
多分俺はその中じゃ空手バカって言われるくらいには、
空手が好きだった。
『翼咲ー、勝負だ!』
汗をタオルで拭っていた俺の元に、親友が現れた。
「俺に10連敗中の癖に、またやんの?」
加畑翔真(カハタショウマ)。
緑色に輝く髪に、人懐っこそうな垂れ目をした同い年の男だった。
『うっせーな、今日勝つんだよ!!』
翔真は親友兼ライバルで、だいたい出た大会は俺が1位で翔真が2位だった。