ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
繰り出された翔真の回し蹴りを交わし、拳を突き出す。
腹にあたり、翔真は顔をしかめた。
そして、5分後。
『負けたー!』
『はい記録更新、やっぱ俺の勝ちだなー』
隣同士で木目模様の床に座って、思いっきり笑いあった。
『次はぜってぇ勝つ!』
『それ、昨日も聞いたから』
爽快に笑い飛ばすと、翔真は悔しそうな顔をした。
『……翼咲、中学行っても空手続けろよ。
母子家庭じゃ大変かもしんねぇけど、
お前のことは絶対いつか……俺が倒す』
小6の4月だったその日、翔真はそう言って俺を睨みつけた。