ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
帰還~暁斗side。
永らく朝日を見ていなかった気がする。
真っ暗で明かりひとつない世界に俺はいた。
そこには何もなくて、床も壁も何処も彼処も暗くて、
『……兄さん、兄さん』
声は聞こえるのに、どこから聞こえてるのか全然分からなかったんだ。
でも、ある日その世界に誰のかわからない細い手が現れた。
掴んだらそれは弟の手だった。
俺が命に変えても守ろうとした妖斗の手。
「ゲホッゲホッ」
俺は体も起こせず、ベットの上で咳き込んでいた。
「はぁ……っ」