ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
1時間もせずに、道場に着いた。
【城ヶ崎道場(ジョウガサキドウジョウ)】
バイクを駐車場に停めて、そう書かれた建物の中に入った。
入口のドアを開けただけで、木目模様の床から香ってくる木の匂いが懐かしい。
すごい落ち着く。
「改めて、久しぶり。翼咲」
スニーカーを脱いで道場に足を踏み入れたところで、翔真は俺に声を掛けてきた。
翔真は俺を見て、屈託もなく、さぞかし爽快に微笑んだ。
「あぁ。………久しぶり、翔真」
つられて、俺も笑顔になった。
「……なんで剣道部?」
「高校に空手部なかったから入っただけ!
俺さ、最近この道場の近くに戻ってきて、またここで空手やってんの」
「そっか……」
翔真は、まだ続けられてるんだな……。