ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
次に押し寄せてきたのは、圧倒的な絶望感と恐怖感だった。
気を抜いたらものを吐きそうになるから片手で口を抑え、俺はただ親父を見た。
……なんで。
「……ククッ、変わらないな。
背は伸びたが、好みや顔は全然変わってない。昔から、黒とかそういうモノトーン色好きだったよなぁお前。だからこのバイクも黒いんだろう?」
親父は、バイクを蹴りながら醜悪の笑みを浮かべていた。
そうされただけで、俺はキレた。
「……黙れっ、そっからどけよ」
吐き気がマシになった俺は口から手を離して、小さな弱々しい声でそう言った。