ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
……クソっ、油断した。
専門学校から松浦じゃ電車で10分もないから、1人でもまぁいいかと思ったらコレだ。
本当に、俺は籠の中の鳥……だよな。
逃げ道なんて何処にもない……っ。
きっと、GPSでもつけられていたのだろう。
もうすぐ、校門に俺がいないのを不審に思って、きっと翼咲と妖斗と朔と真凛がやってくる。
いずれ、聖理奈も。
……それまで、どうしたらいい。
今すぐ逃げた方がいいに決まってる。
でも、バイクないんじゃすぐに追いつかれるし、あいつらが俺の代わりに危ない目に遭ったりでもしたら……っ。
そんなのは、絶対に嫌だ。
「……俺がお前のいうことを聞くと思うか?
はぁ……。本当に、変わらないな光輝。
昔から怖がりで、泣き虫で、喧嘩して少し体は丈夫になっても、所詮俺の前じゃ震えてるんだもんなぁ……?」
思わず、俺は自分の右腕を、もう片方の手で
撫でた。
俺の右腕の体温はありえないくらいに冷たくて、言われた通り、身体は震えていた。