ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~




「まぁ、お前をいじめる方が楽しそうだから、ここからはどいてやるよ」




「だったら早くどけ!」





俺は、思わず叫んだ。



自分が代わりに暴力されるとかどうでもよかった。




血が沸騰して、そんなのは考えていられなかった。




……それ、たかがバイクじゃねぇんだよ。




翔太さんと優姫さんが高一の誕生日に買ってくれたバイクなんだよ。




あんたじゃない親が買ってくれたんだよ!!


あんたなんかが、触って傷つけていいもんじゃないんだよ!





「おっと、手が滑った」



「やめろーっ!!!」





直後、親父はポケットから煙草の箱を取り出し、ライターで火をつけたそれを、バイクの座席に向かって投げた。




黒く輝く座席が、バイク全体すら巻き込んで燃えていく。




俺は自販機で買っていたペットボトルの水をバックから取り出し、バイクに投げかけた。


しかし、すでに遅かった。





「……あっ、あっ、嗚呼……っ」


無意識のうちに喘いでいた。


炎が消えたバイクに近づいて、座席に触れた。







黒い座席がこげて、バイクは使い物にならなくなっていた。














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