ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
顔の前で、ライターの火がユラユラと揺れていた。
「これ以上近づいたら、こいつの髪を燃やすぞ?」
親父の言葉に、翼咲は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「……翼咲、逃げろっ」
俺は、思わずそう言った。
「は?ざけんなよ!誰が置いていくかよ!!俺達5人で逃げんだろ!!!」
「……逃げてくれ、頼むから。
一筋縄でそんな簡単にいかないんだよ。見てわかるだろ?
……それに俺は、もう歩けない」
自嘲気味に俺は言った。
骨が折れた癖に、歩けるハズもなかった。
…………もう誰も失いたくなんかない。
全てを失くした日に、やっと出来たかけがえのない家族。
信じようと誓った大事な俺の弟達。
誰よりも愛した可愛い幼馴染の女の子。
その子の大事な友達で、姫の子。
弟の大事な友達。
みんなみんな失いたくないんだよ!!
もう誰も奪われたくないんだよ!!!