ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
思わず、俺は安堵してため息を吐いた。
「はぁ………」
た、助かった……。
「つまんねぇな本当に。出来損ないのお前が必死になって守ろうとなんかして、本当に面白みも何も無い」
「グッ!!」
身動きの取れない俺の左足の太ももを、親父はまた踏んだ。
骨が折れるだけでは飽き足りず、徐々に砕けていってることが嫌でもわかった。
「やめろつってんだよ!!」
「おい、お前、翼咲って言ったか?
……こいつが本当に出来のいい兄か?
実の親にろくに抵抗もできないで、為す術もないようなこんな弱い男が出来のいい兄か?」
親父は近づいて殴ろうとしてきた翼咲の拳を交わし、笑いながら言った。
「……あんたがそうさせたんだろ。
少なくとも光輝は弱くねぇし、大体子供は親に抵抗なんかしたくねぇし、できねぇよ。
…………子供からしたら、どんなに酷いことをされても、親は親だからな。
どんなに嫌いだと言い聞かせても、忘れようとしても、忘れることも、本当の意味では嫌うこともできねぇ」
翼咲が紡ぎ出したその言葉には、捨てられた時の想いが込められていた。